3月10日の東京大空襲とナパーム弾

日本人にとって忘れてはいけない日は、3・11、8・6、8・9、などありますが、東京に住む我々にとって絶対に忘れてはいけない日は3・10ではないでしょうか。アメリカは第二次大戦中に日本に対して無差別大量殺戮をしましたが、広島、長崎と同じぐらいの民間人10万人の殺戮をしたのが3月11日の東京大空襲です。広島、長崎は原爆での被害ということもあって世界中に知られていますが、東京大空襲の被害はあまり知られていません。核爆弾という大きなお金と技術、労力がなくても、数時間で同じレベルの無差別殺戮ができるという事実をもっと発信すべきだと思います。

アメリカは東京大空襲で「ナパーム弾」という兵器を使いました。「ナパーム弾」は焼夷弾の一種ですが、ゲル状のガソリンが詰められていて、爆発すると火のかたまりが建物や人体に飛び散って、火がついたらなかなか消えないという恐ろしいものです。火のかたまりをあちこちに降らせ、木造の家々を焼き尽くし逃げ惑っている人々の荷物に火がつき燃えて尽くすというこの世の地獄だったようです。アメリカはナパーム弾の威力を知っていて、東京の民間人を大量殺戮することで日本の戦意を落とそうと「計画的」に行いました。ナパーム弾を作った人はハーバード大学のフィーザーという化学者で、安くて簡単で大きな被害を出せる爆弾を作ること目的にして開発したそうです。被害国の日本はその悲惨な事実をはっきり発信しなかったため、アメリカはその後のベトナム戦争でもナパーム弾を使って何百万人というもっと悲惨な民間人の殺戮を行いました。あまりにも非人道的な兵器のため禁止されましたが、似たような兵器はイラク戦争でも使われましたし、シリア戦でも使われています。

アメリカから受けた原爆の悲惨さを伝え続けることはもちろんですが、東京大空襲のナパーム弾の被害をもっと知ることで、今起きている戦争の悲惨さが想像できるのではないでしょうか。東京都はこれほどの被害を被ったにもかかわらず大きな資料館もなく建設計画が出ても自虐行為との反論や抵抗でつぶされてしまっています。

江戸東京博物館の一角で多少の体感はできますが、都や国はナパーム弾の恐ろしさをもっともっと伝えるべきでしょう。

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